バッキィーWatabe:essay vol.11

『“第二次越冬隊”よりの報告』の巻。

以前にも、僕が借りて住んでいる一軒家は築47年の日本家屋で、当然ながら、無断熱である、という話を書きました。冬は、ハンパじゃなく、寒いです。だからこそ、外断熱マンションのお宅へお邪魔したときに、その快適さを思いっきり実感できた。なんて強がりを言っていたのは、去年の春先のことでした。
なにしろ、朝起きて顔を洗いに行こうとしたら、家の中で息が白い!お風呂に入ろうと裸になるなんて、まさに命がけの世界。電子カーペット二枚と、オイルヒーター一台でこの家の冬を乗りきることは、ひじょーに厳しい。この“第一次越冬隊”の教訓を活かして木製サッシに目張りをし、分厚いカーテンをかけ、オイルヒーターを一台買い足して、二度目の冬に備えました。

結果、若干はマシになったものの、“第二次越冬隊”も大苦戦しました。特に、電気料金。目ン玉が飛び出るほどの額の請求書が、毎月送られてくるようになったのです。無断熱であることが、どれほどエネルギーをロスしているのかが“金額”という分かりやすいバロメーターでもって実感できた次第です。
「じゃあ、なんで引っ越さないの?」とよく聞かれるのですが、「うーん・・」と、言葉に詰まってしまいます。まず、第一の理由は、大家さんが“お友達料金”で貸してくださっている事にあるのですが、でも、それだけじゃあない。

水周りをリフォームし、壁を漆喰に塗り替え、障子や襖を張替え、大家さんご一家と一緒に柱や床を磨き上げるうちに、家の中が蘇り、どんどんと愛着が増してゆきます。
そして、この家を手がけた大工の棟梁が、料亭や落語の師匠の家といった“粋筋”の建物を得意としていたそうで、いろいろと粋な造作があります。たとえば、今でもシュタッ!と止まる“雪見障子”や、優美な模様がデザインされた磨りガラス、木の木目を洗い出した扉など・・・。
こうした“味わい”は、いくら快適でもコンクリートの箱であるマンションでは、得られないのではないかと思ってしまいます。

ご予算の都合上、“古民家再生”に着手できたのは、家の内側のみ。外壁は、相変わらずボロ家のままです。「いつか余裕が出来たら、外側にも手を加えたいね」なんて話をしていたとき、フト思い付きました。「もしかして、断熱材を外側に貼る改修をすれば、この家がとても快適になるのでは」と。早速、O氏にこの話をしたところ、「甘いね。この家では気密性を保つのはムリだし、たいして効果は期待でき無いよ」と言われ、ガックシ。しかし、続いて「ただし、この家の風合いを活かしながら、外断熱の快適な家にする手はある」とのご託宣が。どうすれば?と聞くと、「RC外断熱の躯体を作り、その中にこの家のテイストを再現すればいいんだよ」とのこと。

さすが、建築家大先生!そいつはグッドアイデアです!と思い、概算の予算を聞いてみたのですが、そのあまりの額に腰が砕けました。
さ、宝くじでも買いにいこうかなっと。

次回は、“常識vs.非常識”の巻の予定です。


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投稿者 sotodan : 2006年06月16日 09:57