新春講演会(2006年1月13日)のご報告
2006年1月13日(金)に開催された新春講演会のご報告
講師に山岡淳一郎氏を迎え,『体感できる都市像と「第三の目」-消費者に寄り添うものは誰か』と題した講演会が開催され,大勢の方に参加していただきました。
ここでは,講演内容の概要をお伝えいたします。
▲講演を始める山岡 淳一郎氏
▲会場風景
講師:ノンフィクション作家 山岡 淳一郎氏
演題:『体感できる都市像と「第三の目」-消費者に寄り添うものは誰か』
概要:フランスの郊外団地における暴動、日本のベッドタウンが抱える「ふたつの老い(高齢化、老朽化)」の深刻化、そして構造計算書の偽装問題。05年に顕在化した問題を通観しつつ、建設産業界のプロと一般の生活者や行政が、ともに志向すれば「より幸せ」を感じられるであろう都市の方向性を語ります。それは「体感できる都市像」であり、住宅マーケットにおける「第三の眼」。「住宅基本法」が登場する06年は、21世紀前半の日本の道程を規定する年になりそうです。消費者をイメージだけで動かす時代は終わろうとしています。
▲山岡氏
講演内容(概略)
最初に,昨年11月以来大きな問題となっている,耐震構造偽装問題に触れ,使用停止処分となったマンション入居者を取巻く様々な問題について,ユーザーが情報を入手する上で障害となる「三つのカベ」が存在する,と指摘。
専門性の壁
密室性の壁
封建制の壁
▲ユーザーとデベロッパー,建設会社と下請け企業の関係
▲「三つのカベ」に言及
▲全体概念図の完成
こうしたカベに阻まれて,デベロッパー・建築・設計など,生産者側の情報がブラックボックス化している現状を指摘した。マンションの生産・販売・購入における現場では,情報の非対称性が生じているため,このままではマーケットが崩壊する。
次に契約に関して,民法における信義則を前提とした契約制度が一部で崩壊していることに関して,昨年のフランスにおける暴動を取り上げ,背景の多様性として宗教・思想・言語などを挙げた。
CM(コンストラクションマネジメント)や検査技術者(インスペクター)について
ユーザーの代わりに,相手から必要な情報を第三者的に入手しユーザーをサポートする人材,機関の必要性に言及。アメリカなど外国の検査機関の例を示し,日本でもそうした制度の必要性を訴えた。同時に,そうした時にマンションの資産性を鑑定・評価する保険の仕組みや,金融機関の役割の重要性を指摘。
土地の評価額については,一部でH社は路線価の4倍程度を土地価格としているという情報から,実際のマンション販売の現場ではどうかと講演者から会場にいたK社N氏に質問が出た。N氏は,通常2~3倍程度であること,都心での地価上昇局面の中で,H社のみが安価で購入できるはずがないと指摘した。また,持論である土地代金・建設費のコストをオープンすべきと発言した。
後半は,病院における医療事故について触れ,全国の病院数と同じだけの医療事故が発生していると報告。医療,建築それぞれにおける問題に共通する要素について先のように「三つのカベ」,「情報の非対称性」,「鑑定・評価機関」について述べた。
▲概念図を用いて質問に答える山岡氏
最後に,会場からのご意見・ご質問に応じ,新春講演会を終了した。
文責 事務局
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投稿者 sotodan : 2006年01月18日 19:08
