堀内正純のハンス・エーク 日本セミナーPart-Ⅱ 同行記第5回
第五回 11月17日(木)
前日の岐阜の夜は、疲れがピークだったのか、夕食後部屋に戻ると既に宮坂が寝ていた。時計を見るとまだ9時であったが、私も、早い眠りについた。
岐阜の朝も底冷えがする。今日は、NPOが主催する最後のセミナーが静岡で開かれる、8時すぎにTAXIで岐阜羽島駅に向かう。岐阜羽島から名古屋で乗換え新幹線で静岡に向かう。静岡駅に下りると、茅野や岐阜とは気候が違う・・・ハンスも暖かいと言う。
静岡駅から車で、セミナー会場のツインメッセ静岡北館レセプションホールに向かう。会場の入り口には、外断熱セミナーin静岡『地球環境と建築の役割』の看板がかけられていた。
(写真 5-1 会場入り口の看板)
外断熱セミナーin静岡『地球環境と建築の役割』
■主 催:特定非営利活動法人 外断熱推進会議
■後 援:静岡新聞社・静岡放送
■協 賛:綿半鋼機株式会社
■開催日:平成17年11月17日(木)
■会 場:ツインメッセ静岡北館レセプションホール
静岡市駿河区曲金3-1-10
静岡は、日本国内のなかでも温暖で気候の良い地域である。駅からおりた瞬間にそれを感じた。温暖なこの地で、ハンス・エークの「無暖房住宅」にどれほど関心がもたれるか不安であった。会場は、岐阜会場より広く300名以上の収容ができる。何人はいるか心配だ。
東京の本部から田村事務局次長が応援に乗り込んできた。
(写真 5-2 会場で受付する田村次長)
開場と同時に多くのかたが集まってきた。東京からの参加者もいる。会場はまもなく8割がた埋まってきた。講演内容は、昨日の岐阜セミナーと同じであるが、最後のセミナーとのことで専務理事の宮坂が主催者を代表して省エネ・健康・高耐久と外断熱の意義について熱く語った。予定の10分が20分を超えたが、内容のある良い話であった。セミナー開催にあたり
(写真 5-3 開場とともに8割がた埋まった会場)
最初に、私が「地球環境と外断熱」の講演を行なったが、私も予定時間を越えて熱く語っていた。いつもは、私の講演の後にハンスが講演し、その後の質疑の場で友子ハンソンに問題提起として話をしてもらうのだが、今回は、ハンスの講演前に、友子ハンソンの講演の時間をつくった。 「高齢者福祉と住宅~スウェーデンからの報告」と題した講演である。会場には福祉関係の設計士やNPO関係者が来ていたが、今日の話は参考になったようだ。講演後、友子さんに質問が集中した。特に、友子ハンソンさんの書いた「今、なぜ痴呆症にグループホームか」(共著 訳 筒井書房)にある、グループホームのプロトタイプモデルについて質問が多かった。
(写真 「今、なぜ痴呆症にグループホームか」)
最後に、ハンスの講演がはじまった。休憩時間をはさんだのに誰も帰る人はいない。今日のハンスは乗っている。
(写真 5-4 講演するハンス)
(写真 5-5 講演するハンスと会場)
温暖地で無暖房住宅の話をどれだけ理解してもらえるか不安であったが、ハンスの話と哲学はその心配を吹き飛ばした。参加者は熱心にハンスの講演に耳を傾けている。ハンスの話は、建築の話だけではない。資源問題、温暖化問題、環境問題にたいする真剣な思いがいつも伝わってくる。サスティナブルレートの話をするときにハンスの考えがわかる。エネルギー問題を考えるとき全ての国がエネルギー消費を削減しようとの話となるが、ハンスは先進諸国はエネルギー浪費を削減する義務があるが、中国やインドのようなエネルギー後進国は、一定の基準=サスティナブルレートまでエネルギーを使う権利があると言うのだ。その分、先進国はエネルギー消費を少なくする事が求められるのである。日本の次世代基準レベルではなく、無暖房住宅、プラスエネルギー住宅などの開発の欧州の国々が真剣なことが良くわかる。
(写真 5-6 質問に答えるハンスと通訳の友子ハンソンさん)
EiPC外断熱推進会議が主催した「ハンス・エーク日本セミナーPart.2」は、静岡セミナーで最後だ。ハンスの講演後会場から拍手が鳴り止まなかった。その内容は、早速翌朝の静岡新聞に紹介された。
静岡新聞11月18日
5日間で3都市での講演を終えた。講演終了後、今回のセミナーで協賛をいただいた綿半鋼機株式会社の静岡支店のご招待で今回のセミナーの打上が行なわれた。
(写真 5-7 ハンスと綿半鋼機のみなさん)
(写真 5-8 スウェーデン式 友好の乾杯)
美味しい料理と日本酒にハンスは満足げであった。最後は、EiPC事務局次長で上田流尺八道の使い手である田村浩一が尺八で別れの演奏を行なった。
http://sotodan-npo.org/blog/archives/2005/08/vol1.html
(写真 5-9 演奏する田村浩一)
(写真 5-10 田村浩一の演奏を聞くハンスたち)
これで、6月に約束したハンス・エーク日本セミナーPart-Ⅱは終了した。主催者であるEiPCのメンバーはやり遂げた満足感とハンスの思想をNPO活動で広めていく思いで一杯であった。静岡から東京へ向かう新幹線で、ハンスは富士山のシャッターチャンスを狙っていた。
ハンスの旅はつづく
NPO主催のセミナーは無事終了したが、ハンスにはまだ仕事がある。ハンスは、東京で我々と別れたあと、仙台でセミナーがあるのだ。
「今回のハンスの来日は、11月11日に本荘市の秋田県立大学で開催された、「国際サイエンスフォーラム2005」 において講演を行なうためであった」と第一回目の同行記の冒頭に書いた。ハンスを日本に招待したのは秋田県立大学の長谷川兼一先生たちであるが、ハンスと長谷川先生、首都大学東京の須永先生は、IEA International Energy Agency TASK 28 - SUSTAINABLE SOLAR HOUSING のメンバーである。
TASK 28の日本側メンバーは、長谷川先生、須永先生と林基哉先生である。仙台のセミナーは、宮城学院女子大学の林基哉先生が企画していた。
ハンスは、静岡から仙台に向かい、18日に仙台で講演を行い、翌日19日には首都大学東京でも講演を行なった。
http://www.4-met.org/image/051119hans.pdf
今回は、9日間で6回の講演を行なったことになる。
ハンスには、休む間もないハードな日本講演であったが、2月の初来日、9月の「愛・地球賞」受賞、そして今回のセミナーを行う事で、日本にもパッシブハウスの思想が広がっている。ハンスの撒いた種は、大きな実となり、日本の住宅性能の向上と外断熱の普及に役立つことになると確信した。
来年、2006年8月に、ハンスの住むイエテボリにハンスのパッシブ技術による集合住宅の外断熱改修現場調査に行きたいと計画している。一緒に行く方は、堀内まで連絡を戴きたい。
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投稿者 sotodan : 2005年12月27日 14:32
