田村浩一の言わせてもらいます Vol.3

ある先輩の生活キーワードから

私は昭和38年に板硝子の製造メーカーに入社し、爾来、本社、工場、出向、転籍、嘱託など約40年間をサラリーマンとして過ごしてきた。現在は縁があって外断熱推進会議というNPOにお世話になっています。

同期入社の人間もリタイア組が多くなり、会社や世間との繋がりが薄くなってきた。もう、俺には日経新聞も株式新聞も縁がなくなったと購読を止めた人間もいる。
世界でも高齢化社会へのスピードが最も早いといわれる日本、中でもサラリーマンは、専業主婦や自由業や芸術家と違って定年というかリタイア後の生活について最も不安を持っている層ではないかと思う。

私の友人で趣味もボランテアもなく毎日ボーっと暮らしている男がいる。自分の人生だからどう設計しようと自由だがもっとアクテイブに生きられないかと思う。先日ベテランシニアの二人の冒険家がヨットで無寄港世界一周をした。なんと素晴らしいエネルギーと気力と思う。先の友人も最近では地域の問題(環境や公害問題など)のオンブズマンとして行政に立ち入りながら発言しているらしい。

サラリーマンの最大の利点は今まで培って来た経験(会社で得た専門知識以外に人生経験も含めて)が豊富なことである。これを生かさない手はない。私個人の考えではこの経験が少しでいいからお迎えが来るまで世の役に立つこと。そのために努力は惜しまないこと。先日先輩から戴いた手紙の中に生活キーワードとして記されていた言葉にコレダ!と納得した記述があったのでご紹介したい。

◆一つ目は「学ぶ」ということ。
これは人生一生勉強といわれるように安きに流れるのではなく、己に課した課題、それは何でもいいのだろう、大事なことはあせることなく一つずつ学んでいく《生涯学習》の姿勢が大事だ、と解釈した。適切な例ではないかもしれないがワープロで知らない字がポンと出るのは良くないと思う。広辞苑や辞海はそれ自体が貴重な学習対象だ。

◆二つ目は「楽しむ」ということ。
サラリーマン時代は楽しむ余裕はあまりなくストレス解消の技術は酒以外は下手であった。ここで楽しむということはスポーツや芸事、絵など自分の《趣味》を楽しく継続していくのがいい。と理解した。自分はあるキッカケで尺八をもう40年続けている。まだまだ道は遠く修行半ばといってよい。さらにこの楽器の持つ魅力を深めたいと思う。趣味も含めて人生を楽しむ、ここまで行くと人生の達人であろう。

◆三つ目は「保つ」ということ。
《健康第一》は誰もが納得するところ。水泳も剣道もマラソンも出来ないが「歩かないと歩けなくなる」という。少しやるゴルフも楽しみながら散歩やグリーンで足腰が萎えないよう鍛えたい。鍛えてももう強くはならないだろう。現状より悪くならないことでよい。通勤時リハビリする人と毎日すれちがう。少し歩き方がおかしいが彼は脳梗塞でここまで回復したのかもしれない。明日はわが身かも。歩くこと以外に食事もあろう。定期の健康診断で得たデーターを基礎に自分の健康を維持したい。

◆四番目は 「尽くす」ということ。
先輩は《ボランテア》と書いた。社会との接触の中で役に立っている自分を自覚することは大事だ。
今、私はNPOに勤務している。自分の経験と能力と気力が許せる限り少しでもお役に立ちたい。ボランテアを住んでいる地域に存在する、各種の団体に対して奉仕すると解釈するなら自分にはまだない。時期が来ればたとえば一人暮らしやハンデのある方に対して電気を取り替えたり棚を作ったり庭木の剪定をしたり、といったことをやれたらと思う。

◆最後は「求める」ことという。
サラリーマン時代は厳しい目標がありこの達成度にサラリーが直結することが当然であった。その負荷がなくなったあとはこれをどう克己するか。目標のなくなった人生はまったく面白くないであろう。趣味でもスポーツでもあることに納期を定めそれに向かって努力をしていく。その過程が苦しくとも美しく貴重なのでしょう。
今自分が所属しているNPOの中で、新設RC建物の殆どが外断熱工法を採用する。これを最終の目標として尽力したい。もちろん、尺八もゴルフも求めたいレベルはある訳で座している時間はない。《目標達成》ということは達成するとまた次の目標が出てくるという無連鎖の性質があると思う。

田村浩一(外断熱推進会議事務局)


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投稿者 sotodan : 2005年08月12日 00:06