設立趣旨
ご挨拶
平成17年7月20日特定非営利活動法人 外断熱推進会議
理事長 竹川 忠芳
特定非営利活動法人 外断熱推進会議は、平成15年10月24日法人として設立が認証され、同年11月7日同登記の完了に伴い、正式に法人としての活動が始まりました。おかげ様で、志を同じくする賛同者が集まり、北海道支部、甲信越支部、北陸支部、関西支部、九州支部が結成され、日本全国に活動の輪を広げることが出来ました。そして、これに伴い、事務所を交通の便の良い現在の地(港区芝公園)に移転し、事務局の充実をはかってまいりました。いずれもNPOの活動を理解し、協力を申し出てくれた方々によるもので、費用をかけない手作りの活動の輪が広がりつつあります。この誌面をお借りしまして、心からお礼を申し上げる次第であります。
ところで、我々が外断熱建物の普及を目ざした経緯について、今一度振り返ってみたいと思います。オイルショックを境に、それまではどの国でも無断熱の建物が当り前だったのですが、これ以降、先進国では省エネのため建物建設に断熱材を用いるようになりました。ドイツやスウェーデンが典型ですが、ヨーロッパやアメリカなど主要先進国のほとんどが断熱材をコンクリート建物の外側に張っております。ところが、日本では、どういうわけか、これを内側に吹きつける施工方法が定着してしまい、外断熱建物はほとんど存在しないという悲惨な状況でした。この間の経緯や、外断熱建物の利点などにつきましては、当NPO法人の事務局長堀内正純が「『外断熱』からはじまるマンション選び!」(現代書林)という本の中で詳論しておりますので、是非お読み下さい。
このように内断熱建物だけしか存在しない、といった片寄った建物のあり方は問題であり、少なくとも消費者側からみたとき、これだけ利点の多い外断熱建物を入手する選択肢のないこと自体が問題であり、そのような選択肢すら存在しないことを広く国民に指摘する必要があると共に、是非とも外断熱建物が普及するような活動をしていこうと考えたわけです。これが我々NPOの活動の原点です。
ところで、我々が目指している外断熱建物というのは、コンクリート建物の外側に断熱材を付するというだけの、いわば施工の方法(仕様)の一つを言っているにすぎない、と表面的に狭く捉えるのは誤りです。これは、建築物理という学問に基づいて、「快適な住まい」「快適な居住空間」「快適な住環境」を作って行くには、コンクリート建物に対しどのような施工をしたら良いのか、との問題意識から来るものです。従って、断熱材を用いるにしても、どのような材質のもので、どの程度の厚さを要するのか、張り方はどうするのかなど、いずれも建築物理の観点から科学的裏付けのあるものでなければなりません。また、当然に熱橋の処理、開口部(窓)の性能、換気システムの問題など、総合的に考える問題でもあります。
これらのことを理解してもらうため、NPO法人は活動の一つとして、ドイツ、スウェーデン(周辺フィンランドなど)への視察旅行をこれまで6回程行なってまいりました。これには国会議員の先生方にもご参加いただき、国会の委員会で活発な議論が行われる素地を築くことが出来ました。また、デベロッパー、施工会社、建築士の方々にもご参加いただき、外断熱建物の快適性を実感いただくと共に、改めて建築物理の観点からの施工の重要性をご認識いただけたものと思います。
加えて、昨年度はヨーロッパの建築物理をリードするフラウンホーファー建築物理研究所の所長、研究員をお招きして、日独外断熱セミナーを東京、京都、札幌で開催致しましたところ、多数の方(建築界、消費者を含め)のご参加をいただき、ここでも建築物理の考え方を再認識いただけたと思います。そして、今年の2月には無暖房住宅を設計されたスウェーデンのハンス・エイク氏をお招きし、長野、東京、京都、札幌でセミナーを開催し、スウェーデンのような極寒の地でも暖房設備なくして快適な住宅の建設が可能なことを紹介し、「良い建物」を考えるうえでの一つのヒントを提供いただきました。
このようにして、消費者を含む国民一般の認識はもとよりとして、少なくとも作り手側の意識が確実に「良い建物」を作る方向へと向かっており、徐々にではありますが、日本でも外断熱建物を施工できる業者が出現し、増えてきつつあると言えます。
今後は、より多くの消費者の皆様に、外断熱建物という良い建物を長く所有することが財産保持のため、また健康生活のために有用であることを、お分かりいただくための諸活動を積極的に展開していく所存です。その一つとして、外断熱フェスタの開催を企画いたしておりますので、是非ご期待下さい。
また、国交省が、来春には住宅基本法案を国会に上程する方向で、現在、準備を進めております。この法律が目指しているのは、今までの「我が国の住宅や住環境の質が国際的にみて低水準である」ことを反省したうえで、今後は質的に見て「良い建物」を作っていくべく、これまでの住宅政策を転換しようとのことです。まさに我々NPO法人が目指している住宅観へと、今や転換しようとしているもの、と評価することが出来ます。
このように考えると、転換自体は大いに歓迎すべきことですが、建物の良し悪しを判断する基準として、建築物理の考え方を正しく導入する必要があります。当然のことにこれまでの内断熱から外断熱建物への転換が図られるべきでありましょうから、是非とも住宅基本法案の立法に際して、当局には外断熱建物の有用性を確認してもらい、立法に際しこれを取り入れるべく、今後は強力に関係機関に対し働きかけしていく必要があると思います。
是非とも、皆様のご協力をお願い申し上げますと共に、この立法を機に、外断熱建物が国民の間に広く普及することを願って、我々NPO法人一同、頑張ってまいりたいと思います。
特定非営利活動法人 外断熱推進会議 として活動開始
2003年11月17日付で法人登記を完了。特定非営利活動法人外断熱推進会議としての活動を開始しました。
ここに、私たちの設立趣旨をご案内させていただきます。何卒、趣旨をご理解いただき、力強いご支援ご協力を賜りたく、お願い申し上げます。
設立趣旨
21世紀を迎えて私たちの社会は大きな転換期にいたっております。2006年には日本の人口がピークアウトを迎え、2025年〜50年には人口の3分の1が65歳以上の高齢者、3分の1が非就労者となり、3分の1の勤労者が社会を支える時代となります。その時代には、個人の社会的負担が増え、これまでの高度成長消費社会から持続可能な社会へ変わらざるをえない状況になり、社会も個人の低コストで生きることを求められる時代になります。また、世界各地で起きている異常気象は地球温暖化がその原因のひとつと言われており、わが国は1998年の地球温暖化防止京都会議(COP3)の主催国として温暖化防止に努めておりますが、その効果は上がっておりませ
ん。さらに、近年国民の居住住宅が木造住宅からコンクリートの共同住宅(所謂マンション)に変わるにつれ、アレルギーや喘息などの病気が発生しております。
これらの問題に対して、EUの国々は、1973年の石油危機以降、建築における省エネルギーと室内環境の保全について建築物理学を背景に施策を実施しています。
私たちは、世界の実情の調査・研究を踏まえ、省資源、省エネルギー、健康をモットーに、国民が安心して日常生活を送ることができ、さらに地球環境を守ることに資する「外断熱工法による」住宅・ビル・病院等の建設普及を図ることによって、我が国社会全体の利益と福祉の増進に寄与することを目的として特定非営利活動法人 外断熱推進会議を設立し、活動を行います。
特定非営利活動法人 外断熱推進会議
理事長 竹川 忠芳
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投稿者 sotodan : 2005年08月05日 03:20
