Vol.016 衆議院財務金融委員会
2003年02月26日 衆議院財務金融委員会
民主党・無所属クラブ、井上 和雄 委員- 井上和雄委員
今御答弁にあったように、マンションというのは、大体今三十六年ぐらいで建てかえ時期 を迎えているんですよ。つまりは、三十歳ぐらいで三十年ローンを組んでマンションを買って、定年になってやっとローンを払い終わったとなったら建てかえになっちゃうわけですね。
前国会で、マンションの建てかえの促進法というのを国土交通委員会でも議論をしたんですが、私は、これはもう人生の悲劇じゃなくて喜劇だと。やっとローンを払ってマンションが自分のものになったと思ったら、今度は新たにローンを組んでマンション建てかえだと。一体いつまでローンを払えるのか。ローンをまだ、定年になっても借りられる人はいいですけれどもね。これはもう本当に大きな問題だというふうに私は認識しています。
それで、マンションの質がいかに低いかということを、恐らく皆さん、ここは国土交通じゃないので余り御存じじゃないと思うので、ちょっと五分ほど説明させていただきたいんですね。また、竹中大臣はマンションを幾つか持っていらっしゃるということで、ぜひ聞いていただきたいと思いまして、ちょっとパネルを持ってまいりました。 なぜ今の日本のマンションがだめかといいますと、大きな問題として断熱の問題があるんですね。
つまり、今のマンション、恐らく竹中大臣のお持ちのマンションも、これは内断熱マンションといいまして、断熱材が内側に張ってあるわけです。ところが、欧米は全部違う、これと違うんですね。特にヨーロッパはもう全然違いまして、外断熱マンションといいまして、ビル全体が断熱材で囲われているんです。こういうふうになっているのは、今大体、日本とか、まだあとは開発途上国ですね。もう中国も今全部こちらに移っている。
ごらんになってもわかるように、まず断熱性能、これは、断熱材が周りに張ってあるこちらのマンションの方がいいに決まっているんですよ。だから、先ほど私が言った、アメリカで暖かいのに何で日本は寒いのかといったら、やはりこの断熱の方法が違うということであります。
それで、もう一つは、例えばここも、ここはコンクリですから、コンクリが外気の温度にすぐ反応するわけです。冬だったら、すぐコンクリ、寒くなる。床下部分がこういうふうになっていますから、これはヒートブリッジといって、当然床下から外気が伝導してくるわけですね。中が寒くなっちゃう。ところが、外断熱で全体を断熱材で囲ってありますと、そういうことがない。つまり、外気が入ってこれないんですね。
それで、耐久性の面でも、結局これですと、夏は暑い、冬は寒いというと、コンクリがしょっちゅう冷たくなったり熱くなってしまいます。それだけ劣化の程度が早くなるわけです。ところが、こちらですと、この外側に新たに壁をつくるわけですね。つまり、コンクリートの温度というのがほとんど室内温度と同一なわけです、一年を通して。つまり、それだけコンクリートの耐久性があるということ。だから百年二百年でももつんですね。だから、日本のマンションというのは、こういう構造があるからもたない。
もう一点は、ちょっとこれも御興味のある方に御説明したいと思います。 配水管がマンションの中を通っているわけです。日本だけなんです、こういうふうにやっているのは。御存じですね。区分所有法で専有部分に共用部分が通っているのは日本だけなんです。欧米の方は、全部ビルの両側にあって、床下は二重床になっているんですね。二重床になっているから、間取りを変えることができる。これをSI、スケルトン・インフィルといって、とにかくこういうものを日本でも導入していかなければいけない。
つまりは、私が言いたいのは、今あるマンションというのはほとんど、要するにスタンダードのレベルからいったら非常に質が悪い。では逆に、これをちゃんとヨーロッパ並みにしていくには大変な投資が必要だし、これは逆に言えば非常に大きなビジネスチャンスでもあるし、大きな需要をつくり出していくということなんですね。そういうことをちょっと申し上げて、また次の話に移りたいと思います。
それで、どちらかというと、今度は塩川大臣にお伺いしたいんですが、今回の税制でもそうなんですけれども、日本の場合はとにかく住宅取得、住宅取得、そういう面での税制優遇なんかをつくっているんですが、では私が今申し上げたような、こういう良質な住宅を、マンションなどを供給するという面では非常に税制上もおくれているんじゃないかと思うんですが、ぜひ今私が申し上げたような、こういう良質な住宅をつくるという側面からも税制面で支援していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
- 塩川国務大臣
良質な住宅というもの、良質な住宅地あるいは住宅というものとあわせましてやっておりま すが、今後の急増する老朽マンションに対しまして、建てかえの円滑化を図る見地から、マンションの建てかえの円滑化に関する法律に基づく制度が整備されておりますが、その政策の一環として、これを支援するため税制によってもいろいろ措置を講じていくということをいたしたいと思っております。
- 井上和雄委員
ぜひそうしてください。そうでないと、こういう古いマンションがふえちゃうんですよ。
私が言ったように、共用配水管が住宅の真ん中を通っているんですね。そうすると、もうこれは三十年たつと、共用管が古くなると、交換できなくなっちゃうんです。日本のマンションが三十年、三十五年で建てかえなきゃいけないというのはこういう共用管がかえられなくなっちゃうから、そういう面があるんですね。だから、欧米並みのSI、二重床になっている、非常にメンテナンスもしやすいし維持をしやすい、だから百年以上もつ、こういったものをつくるような税制をぜひ財政当局として考えていただきたいと思います。
それでは、とにかくいいものをつくっていくには当然高くなる。ただ、実は、外断熱にしてもそんなには高くならないんですね。今、いや外断熱は高くて無理だというのは、要するに技術的な、ゼネコンなんかは技術力がまずないということで、まだ施工数が少ないということなんですね。ただ、現実に、私、いろいろな人から話を聞くと、そんなに高くありませんよと。せいぜい一割ぐらい、一割も高くならない。
しかし、現実に、非常に省エネです。先ほどもセントラルヒーティングの話をしましたけれども、日本だと、セントラルヒーティングはすごく高いんじゃないかというふうに思われるんですね、つまり維持費が。逆なんですね。こういう外断熱にしてきちっと断熱すれば、日本みたいに部屋ごとに冷暖房機をつけているのに比べて全然安いんですよ。
実は私も、昨年マンションを買いました。角部屋なんですね。前にベランダがあって、横にベランダがあって、また後ろにベランダがあるんですよ。何でこんなに、三つベランダがあるのかなと思ってよく考えたら、つまり、部屋に冷暖房機をつける、そうすると室外機が必要なんですよ。その室外機を置く場所をわざわざつくらなきゃいけないんですね。だから、これもセントラルヒーティングだったらそんなむだがないわけじゃないですか。つまり、それだけ日本の住宅の質が悪いという話なんです。
いいものを供給するとなると多少は高くなる。今の、年収五倍で住宅を供給するという国の政策、ただ、五倍というのは、私は、はっきり言って勤労者の負担能力を超えていると思うんですね。だから、これを何としても、欧米並みの年収三倍以内、できれば二・五倍ぐらいで住宅を供給できるような社会を私はつくっていかなきゃいけない、そうしなければ国民生活は豊かにならないというふうに思います。
ただ、日本の場合、先ほど大臣もおっしゃいましたように、土地が高い、住宅というより土地だ。だから、これは土地代を何とか下げなければいけない。そこで、どうやって上物にお金を使って土地代を下げるかということを考えると、これからは、将来は定期借地権を使うしかないと私は思うんですね。
定期借地権を使った住宅またはマンション、なかなか普及しない。私は、今土地が余っている状況で、国も土地を持っているし、地方公共団体も土地を持っている。また、不良債権もたくさん今出ていますね。こういう土地を国民に定借で貸し出して、貸し出すわけですから安いです、地代が安く済むわけです。そこにどんどんうちをつくってもらったら、日本の景気がもっとよくなる、それで国民生活も豊かになるというふうに思うんです。
昨日の新聞に、東京の足立区の方で、こういう区の用地を使って、そこに民間がマンションをつくった、定借だから二千万ぐらいでマンションを供給できたというようなことが出ていました。こういうことを本当に真剣に、私、今考えていく必要があると思うんですけれども、国有地を定借にして国民にどんどん貸し出したらどうですか。住宅をつくってもらったり、逆に別荘でもいいですね。地方なんか、それこそ千坪ぐらいのところに別荘を建てられるような環境をつくってあげたら、どんどんうちが建って景気がよくなると思うんですね。塩川大臣、いかがですか。
- 谷口副大臣
今井上委員がおっしゃった、定借でやればどうかということでございますけれども、今国有地 の方は、大宗は物納財産でございまして、なるべく早く換価するようにということで処分を進めておるわけでございます。今おっしゃるような定期借地権ということになりますと、五十年を超えるということになりますので、そうなりますと、今進めております早期売却の障害になるということもあり、なかなか難しいところがあるわけでございます。
- 井上和雄委員
今の副大臣のお話なんですが、結局、今どんどん土地がマーケットに出ている状況です ね。さらに供給するということは、さらに土地代を下げることになるんじゃないですか。だから、私はやはり、わざわざ土地を下げるようになる売るということよりも、これは貸した方がいいんじゃないかというふうに思いますね。大臣はどう思いますか。
- 塩川国務大臣
本当に、住宅需要、どんどんと住宅を建ててくれるならば、定期借地権の活用というものが できますけれども、先ほど谷口大臣が言いましたように、これは物納財産でございますから、できるだけ早く現金化するということが目的なので、できるだけそういう趣旨に沿って、短期の借地権というものを、例えば二十年ぐらいにして、それで二十年で買い取ってもらう、そういう方法をあわせてやっていくということも一つの考え方だろうと思っておりまして、ずっと五十年、六十年というのを借地権でいくということになりましたら、これは物納の趣旨というものを変えなければならぬと思うので、その点の問題はいろいろ考慮する必要はあるだろうと思います。
- 井上(和)委員
竹中大臣、もし御意見がございましたらお伺いしたい。
- 竹中国務大臣
これは私の担当ではございませんけれども、大臣、副大臣おっしゃいましたように、物納さ れたものということをどのように解釈するかという問題であろうかと思います。一般の国有財産に関しては、その他別の理由で持っている国有財産については、それはいろいろな有効活用の仕方があろうかと思います。それについては、当然理財の関係で、そのような観点から運用をされているというふうに思っております。
| ←戻る | ↑ページトップ |
投稿者 sotodan : 2003年02月26日 00:35
