Vol.005 衆議院環境委員会
2002年5月18日 衆議院環境委員会
民主党・無所属クラブ、鮫島 宗明 委員- 鮫島委員
民主党の鮫島宗明です。
きょうから一斉にいろいろな委員会が開かれていて、分館の広い委員会室はほかの委員会が使っていて、どうも狭いところに追いやられたのが文部科学省と環境省関係の二つの委員会。これはやはり、この二つの省が相対的に力が弱いということを物語っているんじゃないかと思いますが、委員長さんはもうちょっと頑張って、環境のいい部屋をとることはできなかったんでしょうか。次回から環境のいい部屋を用意していただきたいと思います。傍聴の方々もきょうは大分多いので、御不自由しておられるようなので、一言言っておきます。
ちょっと私、全体の流れを尊重するために通告と順番が変わりますが、では初めにトピックス的な、排出権取引詐欺事件ということだけちょっとお伺いしておきます。
日本のある石油会社が、オーストラリアの企業に百万ドルを出資して排出権のオプションを買った。これは会社の名前を出さないでくれと言われているんですが、コスモ石油であります。
それで、百万ドル、オーストラリア・ドルですから、日本円で約六千万円、このオーストラリアの植林事業に出資します、この木が育てば、それだけその期間にふえたバイオマスを排出量としてその企業が取得できて使うことができるということで、あるブローカーに百万ドルを出したわけですが、この取引は有効だと思いますでしょうか。
- 岡澤政府参考人
京都議定書上の排出権取引というのは、幾つか条件がございます。それは、京都議定書の締 約国間同士での取引であるということと、それから手続として締約国双方の承認を得た事業であるということでございます。それから、実際に排出権取引で取引できる削減量というのは、京都議定書の発効後、2008年以降に削減される分ということになります。
これだけから見ましても、今、オーストラリアはまだ京都議定書に入るということを決めてはおらないわけですが、入らないということも決めていないということでございますけれども、日本が入り、オーストラリアが入ったとして、かつ、双方の事業承認を得るということになれば、その今オプション買いした事業について、2008年以降の削減分について、みずからの分の削減分にするということは、京都議定書上の理屈からは可能でございますけれども、オーストラリアが入らなければ、この話はすべてすっ飛んでしまうということになると思います。
- 鮫島委員
今の流れですと、やはりアンブレラグループ、アメリカを中心として、オーストラリアも入らない 可能性がかなり強いわけですから、この六千万円は使えない可能性がかなり高い。
どうも、そういうのを企業の環境の担当のセクションの方がよくわからないで恐らく契約しちゃったんだろうと思いますが、こういう取引、ここ以外にもこういう権利を売って歩いているセールスマンが実はかなり出ておりまして、ひとつそういう間違いがないように、今局長さんがおっしゃったように、こういう条件がクリアされないと無効ですよということをやはり関係のところに周知徹底させていただかないと、こういう排出権取引詐欺というもの、まだ見えない空気を売ってやるわけですから、ただでさえぼやっとした話がますますおかしくなってしまうということですので、そこはぜひよろしく御指導をお願いします。
それからもう一つ、きのうの朝日新聞のトップに出ていた自然再生型公共事業、これは関係するのが環境大臣と農林水産大臣と国土交通大臣ということですが、この自然再生型公共事業、中身を見てもなかなか美しい言葉がちりばめられていて、破壊された自然を少しでもきれいないい環境にしましょうということで、一見反対しにくいような中身になっているんですが、どうも、亀井静香さんが大変これに熱心だという話を聞くと、これは何かあるなと考えざるを得ない。
恐らく、今のままのコンクリートで固めていく事業量が頭打ちなんで、今度はコンクリートをはがす事業に変えていけば、まだ二十年ぐらいは食えるぞと。ただ、これはある意味では、ヘロインをやめてコカインにしましょうというような話で、国民の方から見ると、二つの条件が少なくともない限りは、やすやすとは認められない。
つまり、では環境を壊した人はだれなんですか。つまり、破壊された環境を再生する事業というふうに定義されていますが、では、壊した人はだれなんですか。その自覚と反省がない人が、そのまま今度は再生しますといってやるのはやはりおかしい。
もう一つは、もうさんざんこの間明らかにされている政官業癒着の構造、この構造を維持したまま、名前だけ変えて、自然再生型公共事業をいたしましょうというような、ビフテキやめてすしにしましょうみたいな話ですが、こういうやはり二つの、政官業の癒着構造をとらないということを前提とする、それから自然を破壊したということの責任を明確にしないと、ただ名前だけ変えて、今度はこっちに乗りかえますというのはおかしいと思いますが、環境大臣はどうお考えでしょう。
- 大木国務大臣
今、名前だけ変えてまた別の公共事業をやるのか、こういう御質問のように私受け取ったんで すが、名前を変えてじゃなくて、やはりそれは実質的に実態が変わってきて、しかも、それが非常に現在の社会的ないろいろな意味でのニーズに見合うものであれば、それは頭からいかぬということではないんだろうと思います。
今いろいろと、自然の保全につきましても、原生の自然のいろいろな生態系があるわけですが、それの保全の強化、あるいはその持続可能な利用ということと、それからもう一つ、新しい今のアイデアとして自然再生というようなことも出てきております。私の承知しているところでは、自民党ないしは与党の方でもいろいろとそういうことを検討しておられる議員さんがおるということで、かなり作業がいろいろと行われていることは承知しておりますけれども、今おっしゃったように、名前だけ変えてまた意味のないことをやったのでは、それはおかしいじゃないかということはありますから、 そこのところは、私はそういうものでないことを期待して、私どもとしては、どういうことが出てくるのかというのを見守っているということでございます。
- 鮫島委員
私、実は、大木大臣に質問するのは初めてなものですから、ちょっと性格やお考えがよくわからな くて、行き違いがややあるかもしれませんが、もちろんいいんですよ。自然再生型公共事業で、今までコンクリートの三面張りで、これは河川じゃなくて放水路ではないかと言われていたような川づくりから、自然のうねりがあって、自然石を配置して、セキレイが遊び、魚もわくようなというふうにつくるのは大変結構だと思いますよ。
しかし、同じ主体が、例えば農林水産省が、右手で諫早湾の干拓事業をやって貴重な干潟をつぶしておきながら、今度は、左手では自然再生が大事ですからと言ってどこかの干潟の再生事業をやる。これは普通に考えてもおかしいわけで、むしろ、もしこの事業をやるなら、環境大臣一人が主務大臣になってやるんだったらまだいいかもしれない。だけれども、きょうの部屋のとり方を見ても力がないから、難しいかもしれませんが、これはこれからの議論だと思いますが、今言ったような、とにかく事業量の確保ということで、中身は大変いいかもしれませんが、破壊した主体が反省なしに再生するというのはおかしい。
例えば、今、土浦の近くで、霞ケ浦の自然再生型公共事業モデルケース、市民主導型でアサザプロジェクトというのが行われています。周りの小学生たちも協力して、ハスの小さいようなのが、アサザというのがありますが、それを子供たちが今の時期みんな苗をつくっていて、六月の梅雨の時期に子供たちが一斉に霞ケ浦の周辺に植える。それが育つとだんだん砂が寄ってきて、全部今はコンクリート防岸で完全に固めて、水質が悪化して波が荒くてというのが、だんだん周りからおさまっていって生物相も豊かになっていく。
これは大変いい事業だということで、国土交通省がモデルケースとしてこれに乗ろうとしているんですが、じゃ、なぜ最初に全部コンクリートで固めたの。そのときの理屈は、防災上こうしなければだめですということで、いろいろな住民の反対があったのにそうやっちゃったわけです。今度は、終わったら、やはり多少問題もあった、自然再生型は必要ですねと言って、同じそのコンクリートで固めた人がしゃあしゃあとまたそういう事業をやるというのは常識的に考えておかしいということだけ指摘しておきます。ですから、悪い言葉で言えば、ヘロインをコカインに変えるだけじゃないですかという話になるわけです。
ちょっと、さっきの原発の金子委員の続きをさせていただきたいと思います。 十三基の建設というのは無理なことはほとんどはっきりしているんじゃないかと思います。七基までは見えていても、そこから先はいろいろな条件があって厳しいんじゃないかと思いますが、立地の厳しさと同様に、使用済み燃料の処理の方から見ても厳しいんじゃないか。特にプルトニウムをまぜて燃すプルサーマルですが、前、エネルギーの長期計画をつくったときは、平成十四年には既に四基ぐらいプルサーマルで動いていないとおかしい計算じゃなかったかと思いますが、現在、日本でプルサーマルの運転がされている炉は何基あるんでしょうか。
- 迎政府参考人
お答えいたします前に、先ほど来、ちょっと2010年の原子力発電につきまして御議論がございました。その際、今後の増設の数でございますけれども、私ども見込んでいるのは、9基から12基ということで見込んでおります。
それから、プルサーマルにつきましては、ただいま御指摘のとおり、計画自体がいろいろな要因でおくれているというふうなことは事実でございます。まだ実施ができていないということでございますが、2010年までに16基から18基の原子力発電所でプルサーマルを実施していきたいというふうに考えております。
- 鮫島委員
時間もありますので、数だけ答えていただければいいんです。
ですから、今、プルサーマルで運転されている原子炉はないと。前の計画ですと、フルMOXという、全部、MOX燃料を100%使うものというのも見通されていたと思いますが、これは今どうなっているんでしょうか。
- 迎政府参考人
フルMOXでの発電所ということで、現在、電源開発株式会社が大間にフルMOXの原子力発 電所を建設するということで計画をしております。が、現在のところ、用地の交渉をしておるという状況にございます。
- 鮫島委員
そうすると、プルサーマルもまだ現実には動いていません。それから、フルMOXもまだ計画段階 です。それから「もんじゅ」の実用炉としての利用も見込めない。つまり、プルトニウムの利用というのが完全に行き詰まっている中で、こういう状況下でも、さらに11から13基をつくるんだと。つまり、プルトニウムの利用がもし進まなかったらどうお考えになるのか。その辺のところは、何かお考えありますでしょうか。
- 迎政府参考人
プルサーマルの実施もなるべく早期に実施をすると同時に、それから、先ほど来申し上げてい ます九基から12基の新設ということにつきましても、原子力については安全を第一に、かつまた地元を初めとした国民的な原子力の必要性についての御理解を賜って、着実に進めていきたいというふうに思っております。
- 鮫島委員
何が何でも進めたいというお気持ちだけはよくわかりました。ただ、ですから余り現実的じゃない と思います。
それから、先ほどのやはり朝日新聞の記事で、電事連が試算したら、どうも30兆円かかりそうだ、したがって、再処理工場を本当に動かした方がいいのかどうかも含めて考え直さなくちゃいかぬというようなことが記事に出ていました。ただ、これは先ほど、電事連が勝手にやった試算だからコメントする立場にないとおっしゃいましたが、じゃ、資源エネルギー庁ではどういう試算をされているんでしょうか。つまり、プルトニウムサイクルが、核燃料サイクルが完成するまでに必要な経費及びそのオペレーションで必要とされる経費、この電事連方式で当然経済産業省としても試算していると思いますが、トータルでどのぐらいの社会コストになるというふうにお思いなんでしょう。
- 迎政府参考人
電事連の30兆円という新聞記事にあるような試算というふうなものは、私どもやっておりま せん。
ただ、平成11年に、そもそも原子力の発電コストと他の電源との発電コストの高低はどうかというふうなことで、1キロワットアワー当たりの発電コストというふうなものを試算したことがございます。この場合は、原子力については5.9円ぐらい、天然ガスですとか石炭火力ですとかこういうのは6円台というふうなことで、バックエンドコスト、こういったものも織り込んだ試算をした結果、結論として原子力発電は他の燃料と比べて遜色がない、経済的にも遜色のない電源ではないかというふうな結果を得ております。
- 鮫島委員
そういう説明をもし電力会社の社長さんたちがお集まりのところでしたら、一体その5.9なんと いう数字でやれると思っているのかという話になると思いますよ。
この30兆円とかいろいろな話が今出てきているのは、経営側の判断で、うっかりこのプルトニウムの利用が行き詰まったままで再処理だ何だというものを動かし始めたら大変なお金がかかってくる、こんなことをやったら会社の経営が行き詰まる、あるいは株主代表訴訟に対応できないということで、もしどうしてもやれというなら、それだけの公的資金を投入してくれというメッセージが実はもう出始めているんですね。
これはある意味では、国土交通省の方いるかもしれませんが、第二のJRとか第二の道路公団という、下手すると20兆円ぐらいのまた負債をためたような核燃料サイクル機構になってしまう。そういうようなことが見えるから、さっきからいろいろな党の委員の方々が心配して、本当にこの11か13基ということを切り札というような扱いで頼りにしちゃっていいのかという懸念が大変強いことをよくお考えいただきたいと思います。
私は、あと2年くらいで実は決着がついちゃうと思います。つまり、ちょうど2004年にこれは計画見直しになっていますが、これはある意味では、プルトニウムの再処理工場のスイッチを入れるかどうかの最終判断のぎりぎりのところがこの2004年で、そういう意味では、うまいタイミングになっているなという気はいたしますが、私は、そのスイッチがこのままでは、プルトニウムの利用というものがなかなか国民的な理解が得られない、プルサーマルの運転も難しい、フルMOXもできないということでは、再処理工場にスイッチを入れることができなくて、やはりワンススルー方式をとらざるを得ないということに2年後ぐらいに結論が出るのではないかと思います。
原子力の問題はそのぐらいにしておきますが、森林吸収の問題でお伺いしたい。これも大臣に私初めて聞くものですから、初めに林野庁の方にお伺いしようかな。
つまり、今、吸収源としてこれも当てにしている森林ですが、日本の全森林のうちの何割ぐらいがこの三条三項、三条四項の対象森林になるのか。その対象となるであろう森林の一九九〇年における吸収量と2010年における見込みの吸収量の数字がありましたら、お教えいただきたいと思います。
- 米田政府参考人
まず、我々、3.9%を達成するために、今、日本の人工林、これのすべて及び保安林等の、天然林のうちの保安林のすべてにおいて森林経営が、人為的活動が行われ、人手が加わりということで、適切な森林経営が確保されるということが前提と考えております。したがいまして、この面積でございますが、日本の大体7割程度でございます。
その吸収量でございますが、現時点においてその7割がどの程度の吸収量を占めているのかという試算は、今後どういうふうにふえるのか減るのかという議論ですよね、ということにつきまして、現時点においては、全森林の吸収量が1990年時点で6.9%でございまして、平成7年時点におきましては全森林八%でございますので、そのうちの相当部分が現時点の吸収量であるというふうに考えております。
- 鮫島委員
何か私が昔知っている米田さんというのは、もうちょっとすっきりしていたと思うんですが。
私が聞いたのは、今国土の7割を占めている森林の1990年における吸収量はおおよそ何千何百万トンであったのか、2010年においてはおおよそ何千何百万トンと見込んでいるのか。答えはあるはずなんですよ。だって、2010年は四千六百万トンと言っているんだから。では、1990年、何万トンだと見込んでいるんですか。その数字だけ言ってください。
- 米田政府参考人
先生御案内のとおり、2010年におきましては、3.9%相当の森林吸収量が七割で吸収されるという試算をしておるわけでございます。
その森林につきまして、現時点においてどの程度の吸収量があるのかというお尋ねということは承知しておりますが……(鮫島委員「1990年には」と呼ぶ)1990年では何万トンであったかというお尋ねであるということはわかるわけでございますが、その時点において適正に管理しておるか、森林経営が行われているかということが明確になっていなければだめなわけでございます。
そういうことで、森林の状態や林齢構成によって必要となる施業が異なりますし、施業のいかんにもよりますので、現時点においては、明確な数字というのは、比較は困難ということでございます。
- 鮫島委員
前、私が聞いたときは、もっとちゃんと数字を答えていましたよ。
今のは非常に変な話で、例えば、米田さんの5年後の年収についてはわかるけれども、あなた、5年前は幾らだったのと言ったら、それはわからないというふうに答えているのと同じで、1990年の数字はわかる——では、数字で言わなくてもいいです。1990年の吸収量と2010年の吸収量と、どっちが多いですか。
- 米田政府参考人
1990年の全森林の吸収量は、前回当方が答えたわけでございまして、これが基準年排出 量比で6.9%でございます。それを2010年の全森林の吸収量でいうと、5.6%でございます。
そういう意味では数字は申し上げられるんですが、対象面積については、今申し上げましたように、施業の状況等によって、具体的な、定量的なことはできませんが、いずれにしろ、減少するものと考えております。
- 鮫島委員
多分だれもわからなかったんじゃないかと思います。
つまり、先ほど、これもどなたかほかの委員の質問に対して大臣は、クリーン開発メカニズムとか排出権取引というのを抜け道とか抜け穴というふうなとらえ方をするのは当たらないと思う、つまり、実際そういう排出権取引とかCDMによって本当に地球大気の中のCO2が減るんだったら、それはそれで前向きに受けとめてもいいのではないかという御見解を示されましたが、森林吸収も同じ話で、つまり、本当に日本の森林が2010年には1990年よりいっぱい吸うなら、これは大変地球環境に貢献しているというふうに評価してもいいですが、条約上の不思議な規定を利用して、実際の吸収量は減っているのに、いかにも日本の森が1990年よりもたくさんCO2を吸っているようにすること、これがなかなか御理解いただいていないんですね、日本人全体にも。
もうちょっとわかりやすく言うと、要するに、1990年は日本の森林は寝ていました、全然吸収していません、2010年に突然森が目を覚ましてがんがん吸収を始めましたといって出てくる数字が、3.9%分、CO2換算で四千七百万トンなわけです。ですから、これは地球の神様から見たら、おまえら、いいかげんなことをするんじゃないよというやり方なわけですよ。実際の大気CO2濃度の減少には貢献していない。条約上、いかにも貢献しているようにするやり方。
だから、これを獲得するのが大変だったわけですよ。川口前大臣が大変御苦労された。あわや、これはもう通らない、それは、みんな、ヨーロッパの普通の人たちから見たら、こんなインチキな計算はないだろう、何で日本の森が寝ていていきなり目を覚ますような計算が日本だけ通用するんだと。ところが、日本に抜けられちゃったら、もう55%がだめになっちゃうからというので、しようがないとこれは劣等生にげたを履かせたような話なわけですよね。
だから、こんなものは本当は使う必要がなければ使わない方がいい数字。つまり、地球環境に対しては本当の意味で貢献していないんですから。2010年は日本の森は成熟して1990年より吸収量が減っちゃうわけですから、地球の神様から見たら、貢献していないわけです。だから、本当はこういうのは余り使わない方がいいというふうに私は思っています。
そうすると、かなりこの大綱の中身というのはきつくなってきて、劣等生にげたを履かせるようなこともやめる、それから原発についてももっとはっきり見通せる形で計画を立てた方がいいんじゃないかということからいうと、もう少し幅広いオプション、あるいは新しいオプションを考えた方がいいのではないかという気がいたします。
例えば、きょう国土交通省の住宅局の方、いらしていますね。平成11年に、次世代省エネルギー基準、建築主の判断基準というガイドラインを出していて、床面積1平米1年間当たり冷暖房にどれだけのエネルギーを使ってもいいですよ、あるいは、この程度のエネルギーにしてくださいというガイドラインが出された。
ドイツでも同じようなのが出されています。直近のドイツの基準では、2000年段階、2000年からこれが適用になったわけですが、数字でいうと、年間1平米当たり冷暖房に使う電力は70キロワットアワー、これを超えてはいけませんというのがドイツの建築基準。これに合わせようと思うと、最近話題になってきている外断熱工法をやらないと、なかなかこれだけのエネルギーで空調がうまくいくというのができないので、それで自然にどんどん外断熱になっていて、日本のようなシックハウスとか結露する問題がなくなっているわけです。
ところが、平成11年の当時の建設省の基準ですと、さっきドイツが70に対して、北海道地区で152。これは建設省の方はジュールという表示になっていますが、私はキロワットに換算しましたら、北海道が152で、首都圏が179という数字、これが日本のガイドライン。ドイツのガイドラインは70ですから、つまり日本の半分以下ですね。
もしドイツ並みの基準で日本の建築物を、これはあくまでも仮想の数字になりますが、もし今全部ドイツ並みというふうになったら、これで獲得できる、これで減らせるCO2というのはおおよそ何万トンぐらいになりますでしょうか。
- 三沢政府参考人
今先生が御指摘になられたように、ドイツでは本年2月に省エネルギー基準で、1年間に床面積1平米当たりに必要なエネルギー量70キロワットになるような住宅の仕様にするような基準を定めております。これは、日本のいわゆる基準に、同じ単位に換算しますと、メガジュールを使っていますので、1年間に1平米当たり252メガジュールでございます。
一方、日本の次世代省エネルギー基準は、これは全国を六つの地域に分けておりますけれども、一番平均的な4という地域で見ますと、年間一平米当たり460メガジュールになるわけでございます。
ちょっとこの後少し大胆な想定をいたしまして、要するに、全住宅ストックについて、次世代基準が半分、それから平成四年基準が半分、ここまでいった場合でいいますと、今のCO2排出量に比べて約千九百万トン削減でございますが、これを一挙にドイツの省エネ基準に全ストックで達成したというふうにいたしますと、これは約三千五百万トンの削減量になる。これは非常に大胆な計算でございますけれども、そういう計算をしております。
- 鮫島委員
大綱の21ページに、住宅・建築物の省エネ性能の向上、これは一番最後のところにトータルの 数字で三千五百六十万トンCO2というふうになっているのは、大体今言ったような計算なんですか。それとも、また違った要素もたくさん入れての数字なんでしょうか。
- 三沢政府参考人
これは、中身は住宅と非住宅に分けまして、住宅については、新築について次世代の基準が 約半分まで達成する、それから非住宅については、次世代基準が八割まで達成する、こういう想定のもとに削減量を計算しています。
ただ、これは、全住宅ストックについてのという、そこの部分は計算しておりませんで、この部分はちょっと、先ほど申し上げた部分は一つの仮定の計算でございます。
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投稿者 sotodan : 2002年05月18日 21:28
