第9回欧州外断熱視察「ブルーノ・タウトと外断熱の旅」報告 3日目

欧州外断熱視察の2日目(9月30日)は、オランダの外断熱改修物件視察、パッシブハウス視察を行った。今回の視察の目的のひとつにこれまで日本では紹介されてこなかったXPS(押出発砲ポリスチレン)湿式外断熱(ETICS(イーティックス))の調査がある。

XPS湿式外断熱については、2010年6月7日(月)に外断熱推進会議が主催した 第26回外断熱技術セミナー において、6月10日に韓国・ソウル市において開催されたISO TC163/SC3(工業断熱)の国際会議に出席する途中に来日したドイツ代表 ホルガー・メルケル博士の講演「外断熱工法のエネルギー消費と耐久性~ヨーロッパでの実例」において紹介された。

メルケル博士の講演では、イタリア・トルコ・スペイン・ギリシャなどヨーロッパ南部ではXPSによる湿式外断熱が多い(50%)との報告があった。また、講演の中でオランダにおける「2009年オランダ外断熱改修サステナビリティ賞」を受賞した集合住宅とパッシブハウスが紹介された。

オランダにおける外断熱調査についてSaint-Gobain(サンゴバン) Weber Beamix社のGerard von Rooden氏が案内してくれた( Saint-Gobain Weber Beamix社 )。

Saint-Gobain Weber Beamix社は、オランダにおけるXPS湿式外断熱システムメーカーである。

視察団一行は、オランダ西部の町フォールブルフある集合住宅を視察した。


 外断熱改修された3棟の集合住宅

 フライングコリドーによる空中廊下

視察した集合住宅Renovation120housesVoorburgは、建築後30年を経過した5階建て、 120戸の賃貸アパートである。3棟の集合住宅を外断熱改修及び新設したエレベーター棟と連続した屋外廊下によって一体化している。改修工法にはSaint-Gobain Weber Beamix社のXPS湿式外断熱システムが採用されている。


 新設されたエレベーター棟と空中廊下

Saint-Gobain Weber Beamix社のXPS湿式外断熱システムは、日本で一般的に行われているEPS湿式外断熱システムと同じようにXPSを接着モルタル及びファスナーで躯体に貼付け、モルタル、グラスファイバーメッシュ、仕上げモルタル、フィニッシュコートで仕上げている。また、タイル施工が可能であることも特徴のひとつである。


 XPS湿式外断熱システムについて説明するSaint-Gobain(サンゴバン) Weber Beamix社のGerard氏

 タイルの厚さと新設されたバルコニー

つづいて、アムステルダム郊外のアメルスフォールトに建設されたパッシブハウスを視察した。床面積は約200㎡、地下室付きの3階建てのXPS120㎜×2層=240㎜の外断熱住宅である。同じような意匠の2棟の建物が建てられており、左側はEPSによる外断熱住宅、右側はXPSのパッシブハウスである。


 右側の建物がパッシブハウス

 建設中のパッシブハウス グーグルアースより

住人に、この建物はドイツのパッシブハウス研究所(PHI)の認定を受けているかと聞いたところ、「受けていない、PHPPで計算した結果パッシブハウスである」と答えた。

長時間のバスによる移動であったが、帰路の渋滞にも巻き込まれず予定の時間に宿泊ホテルに到着した。


 ホテルの前でGerard氏を囲んで記念撮影

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投稿者 sotodan : 2010年10月19日 09:00