第9回欧州外断熱視察「ブルーノ・タウトと外断熱の旅」報告 2日目

9月28日(火)10数時間かけて到着したコペンハーゲン空港の機内において日本から「ブリュッセル空港が閉鎖されていて飛行機が飛ばない」との連絡を受ける。到着ゲートの航空会社の日本人スタッフにも情報が入っておらず、「トランスファーセンターで聞いてください」と繰り返すだけであった。コペンハーゲン空港のトランスファーセンターには同じように航空機の変更を求める旅行者がたくさん並んでいる。


 コペンハーゲン空港のトランスファーセンター

午後2時から始まったブリュッセル空港のストライキが原因でどの航空会社も飛んでいない。また、明日もわからないという。そこで何とか、行き先をオランダ、アムステルダムに変更し、コペンハーゲン空港からアムステルダム空港に向かった。

翌朝、ホテルからタクシーでアムステルダム中央駅に向かい、ブリュッセル中央駅まで2時間50分の列車による移動である。


 ホテルからタクシーでアムステルダム中央駅に向かう

 ブリュッセル中央駅

少し遅れて第1回国際外断熱フォーラム(International ETICS-Forum)会場のアルバートホールに到着した。


 会場のアルバートホール入口

既にフォーラムが始まっており、欧州外断熱工法協会(European Association for ETICS=EAE)代表の Lothar Bombös氏が講演中であった。 ETICSは、External thermal insulation composite systemsの略称で、欧州では湿式外断熱工法をETICS(イーティックス)と呼んでいる。


 講演中のLothar Bombös氏と会場風景

会場にはEU圏から11か国、約250名が参加し、10名の講演者からEUの断熱基準の最新動向、外断熱市場動向、新しい外断熱技術、各国の外断熱の状況、建築家からみた外断熱工法等の報告が行われた。


  ETICS加盟国及び加盟団体

ランチタイム終了後、「Quo vadis ETICS?」をテーマに、ドイツ・ベルギー・オランダからETICS(イーティックス)の現状と今後について興味深い報告が行われた。最初に、フラウンホーファー建築物理研究所所長 Klaus Sedlbauer博士が外断熱改修の必要性について講演をした。建物の計画時には、その断熱性能による環境配慮を第一に考え、次に空調を用いることを考えるべきである。外断熱は、1. 省エネルギー性と地球環境保全2. 熱的快適性の保証3. 暖房費の削減4. 構造材の劣化を防ぐ5. 熱的ストレスを軽減すると話した。


 講演するフラウンホーファー建築物理研究所所長 クラウス・ゼドルバウアー博士

ゼドルバウアー博士は、外断熱や開口部の断熱性を高めることで 将来的にはプラスエネルギーハウスに向かうと、EU諸国が目指していることを図表にしてわかり易く解説した。


 ドイツにおける省エネ政令と省エネ性能の変遷

つづいて、ベルギー建築研究所(CSTC)材料研究所所長 Yves Grégoire氏から、ベルギーにおける建物の壁構造と断熱関する歴史的な経緯に関する報告が行われた。また、レンガ二重積み断熱工法より、レンガ造に200 mm断熱のほうがより省エネ効果があり、300 mm断熱にするとパッシブハウスが実現できると説明した。


 ベルギーにおける建物の壁構造と断熱関する歴史的な経緯

 レンガ二重積み断熱工法より300 mm断熱

午後のコーヒーブレイクタイムにEAE代表の Lothar Bombös氏と話をした。


  EAE代表の Lothar Bombös氏を囲んで、田中団長、 札幌の大橋さん、堀内事務局長

 会場のアルバートホール前に集まっている参加者

現在、EU圏の欧州外断熱工法協会(European Association for ETICS=EAE)への加盟国は12か国であるが、EUとしての建物のパッシブハウス、プラスエネルギーハウス推進の流れをみて、全EU加盟国のEAE加入を進めている。

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投稿者 sotodan : 2010年10月18日 10:42