外断熱マンションの暮らし方

このページは 機関紙外断熱通信 第2号「外断熱マンションの暮らし方」 を元にWEBページとして公開しました。

冬は空気乾燥に注意

工事中の外断熱マンション スウェーデン

コンクリートの蓄熱を利用することで、快適な生活空間を低エネルギーで調節できるのが外断熱の最大のメリットです。いわば建物の躯体自体が冷暖房システムの一部になっているので、これを理解して有効に使うことが必要です。とはいえ、難しいことではありません。1シーズン経験すれば、どのようにすれば合理的か、最も快適なのかはだれにでもわかるはずです。

ただ、はじめて外断熱マンションに住んだときに、自分で思い描いていたことと違って、少し戸惑うこともあるようです。あまりにも外断熱礼讃の情報ばかり接したため「外断熱は万能」と思い違いをしてしまう方も少なくありません。

外断熱のデメリットというわけではありませんが、従来の木造家屋や内断熱マンションでの生活とまったく同じように考えていると思わぬトラブルが起こることもあります。それはちょっとしたことで防ぐことができるので、外断熱マンションでの住まい方について基本的なところだけ説明しておきます。

外断熱マンションの場合、冬期は暖房を止めても部屋の温度が変わらず、換気がしっかり行われていると室内が乾燥しすぎてしまうということがあるため、積極的に湿度を保つような工夫が必要です。

冬期室内での加湿の工夫
  1. 入浴後は、浴室の扉も脱衣場の扉も全開にしておく
  2. 観葉植物や鉢花などを積極的に置く
  3. 加湿器を使う=洗濯物は室内に干す

上にあげた工夫は、それまで内断熱マンションでやりたいけどできなかったことではないでしょうか。内断熱マンションでは窓に結露が起こっても室内空気はしっとりとしているわけではなく、やはり乾燥気味です。そこで加湿しようとすると、さらに結露するというのが内断熱マンションでした。外断熱マンションでは、壁の温度が部屋の温度と同調しているので、換気が行われていると結露の心配はないので、おもいっきり加湿の工夫をしてみてください。それでも十分でない場合は、加湿器も使うことができます。

冬なのにクーラー?

外断熱マンションは高気密で断熱性能が非常に高いので、冬は室内の熱が外に逃げることがほとんどありません(夏は外から熱をもらいにくい)。このため、室内が適温になってから暖房を切っても、急に寒くなるようなことはありません。

東京の真冬というと通常、最低気温が3℃前後、最高気温が10℃前後ですが、このとき外断熱マンションではどのような生活になるでしょうか。朝6時半に起きて、20℃に設定した暖房(パネルヒーター)のスイッチを入れる。ご主人や子どもたちが起きてきて、食事を済ませて出ていったら暖房スイッチはオフ。夕方6時ごろまた暖房スイッチを入れて寝る前にオフ。たとえば、このような使い方で室内は1日じゅう20~23℃が保たれています ただし、外断熱マンション居住者の経験を聞くと、次のようなこともあるようです。

昼間は日射が入るので冬でも暖房を入れないで室内が23℃くらいになり快適だったそうですが、あるとき友達が4人遊びに来ました。すると、それだけでじわじわと室内温度が上がり、やがて汗ばんでくるほどになりました。とうとう暑くなって汗をふくような状態になったので、クーラーを入れた、というのです。

このようなときは窓を開ければ冷たい空気がすぐに入ってくるのですが、サッシの遮音性が高いため、窓を開けるとクルマの音が妙に気になるので開けたくないそうです。外断熱だと外界と遮蔽されたまま快適空間ができあがるので、窓を開ける習慣がなくなりがちです。そこで、冬にクーラーという冗談のようなことが起こってしまったようです。

欧州では昔から、朝起きると窓を盛大に開ける、寝る前には外がどんなに寒くても窓を開けるという習慣があります。それでも温かいのは、建物の蓄熱のおかげです。実際2月に厳寒のスウェーデンのホテルで夜8時ごろパネルヒーターの温水が止まる経験をしましたが、その夜は躯体の蓄熱だけで十分に快適な温度が確保されました。

夏の過ごし方

外付けオーニング スウェーデン

外断熱マンションにおける冷暖房機器にはエアコンが多いようです。東京の真夏はヒートアイランド現象で熱帯地域よりも暑くなるほどですから、エアコンのフル稼働が当然です。しかしその常識でエアコンを使っていると、外断熱マンションではすぐに寒くなりすぎてしまいます。かといって、暑い日が続くとエアコンの電気代は大きな負担になります。

外断熱マンションでは、一度取り込んだ熱で躯体が暖まるとすぐに下がらないという問題があります。その対策としては、日射熱を室内に取り込まないために簾や緑のカーテン(つたの生える植物)を設置したり、夜間や早朝の涼しくなったときに窓を開けて外気温を取り込むことで躯体温度の上昇を押さえ、冷房コストの低減が図れます。

外断熱マンションは、究極のパッシブ建築であり、密閉された建物ではありません。冷房エネルギーを少なくしようとしたら、日射遮蔽と夏でも外気温度が低いときは窓をあける習慣が必要です。

堀内正純(外断熱推進会議事務局長)

このページは 機関紙外断熱通信 第2号「外断熱マンションの暮らし方」 を元にWEBページとして公開しました。

戻る
ページトップ

投稿者 hpnew : 2009年2月 9日 11:41